『なぜなぜ分析』の落とし穴

『なぜなぜ分析(Whyを5回)』は物事の原因を探る際、有効な手段になり得ますが、使いどころを注意しないと痛い目に会います。

今回は私がこれまでにITコンサルタントとして、様々なシステム導入の現場で見てきたことをベースに考えを述べたいと思います。

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『なぜなぜ分析』とは?

まず、Wikipediaによる『なぜなぜ分析』の定義です。

なぜなぜ分析とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段である。トヨタ生産方式を構成する代表的な手段の一つである。 

上記のように、問題の発生原因を明らかにし、再発防止に向けた対策を立案する際の手法として良く使われているようです。

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『なぜなぜ分析』の落とし穴

個人的には「他人に使ってはいけない」という点がポイントだと思っています。

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例えば、自分が何かに失敗して落ち込んでいる場面を思い浮かべてください。
そんな時に上司から『なぜなぜ分析』の質問を繰り返されたらどう感じますか?

私だったらウザいと思いますし、傷をエグられて辛さが倍増します。
上司と話したくなくなります。。。

また、何をしたら良いかわからない人にも同様です。
そんな方に対し、『なぜなぜ分析』をしても話が進みません。
何をしたら良いかわからない理由を突っ込まれても、それがわからないからわからない状態で留まってしまっているのであり、状況は変わらず、心労だけが溜まります。

このように文章にしてみるとすぐに理解できる話かと思います、システム導入の現場ではよく見られた光景です。人には感情があるため、システムと同じようなイメージでコミュニケーションしてしまうと痛い目に会うという反面教師ですね…(^^;

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まとめ

ということで『なぜなで分析』は問題の要因を探る際に使える思考方法ですが、少なくとも他人相手に使うときはかなり注意したほうが良い、というのが現時点の私の考えです。

人相手には原因を追究するより(原因思考)も、現状をよりよくするためにはどうしたら良いかというアプローチ(結果思考)が理想的だと思います。